「美人ノート」作成きっかけ①長年美人だと思っていた母は美人じゃなかった!?

美人に猛烈に興味がある。

私は自分のことを200%美人だとは思ったことはない。(今は実験上、無理やり自分を美人断定しているけど。笑)むしろ、私が美人だと思っていた母から、女性として否定され続けてきた。

「私のほうが可愛いよね。でも、あんたは…」
「私のほうが脚の線が綺麗。でも、あんたは…」
「私のほうが男性にモテる。でも、あんたは…」

思春期に入ったくらいから言われ続けてきたので、「母ちゃんは美人なのに、私はダメだなあ。美人な母に申し訳ないなあ」と思ってきた。

母は自他共に認める人気者。明るくて、気立てがよくて、周囲から慕われる人格者。年齢マイナス10歳に見える美魔女だし、目鼻立ちもはっきりしていて、胸はあるし、美脚だし、プロポーションもいい。メイクもファッションも華やかで、本当に文字通りの美人だ。

対する私は、男っぽいし、コミュ障だし、オタクだし、やることなすこと全て雑。スクールカースト最下位で、自分の身なりを構うことは、人生早々にあきらめていた。

母の言動は徐々にエスカレートしていった。

「あんたは男性と付き合えない」
「あんたは結婚できない」
「あんたに子供を産む資格はない」
「あんたはずっと独りぼっち」

初めは母が自分のためを思って助言してくれるのだと信じていた。

しかし、私の心は次第に病んでいった。

何かがおかしい……。あれ、うちの母って、もしかして流行りの毒親……!?カウンセリングを受け、心理学を勉強するうちに、私は母から女性として足を引っ張られていることに気づいた。

やがて、意を決して、母と対決。なぜ私を女性として貶めるような言動を繰り返すのか、問いただした。

もちろん、最初は絶対に認めず、言い負かされてしまうことも多かった。「自分ができないのを、他人のせいにするんじゃないわよ」って。

もはや絶縁しかないか……。私は覚悟を決めた。

だが、何回もの話し合いの後、母は号泣しながら、私に告白した。

「これ以上責められたら、私は壊れてしまう。私も美人に生まれたかった」

え…? お母さん、だって美人でしょ? 自分でもそう思ってきたんでしょ?

しかし、母は首を横に振った。

「小さいころ『お前だけ美人じゃなくて猿みたい』って兄からずっと馬鹿にされてきた」

母の兄弟は美形ぞろい。特に男性陣は端正な顔立ちで、俳優のように格好良かった母は顔立ちのことで、幼少期に実兄からいじめを受けていたのだ。

美人だと思っていた母は、自分のことを美人だと思っていなかった。いつも自信満々の母が号泣していた。私にとっては、驚きだった。

さらに母は続けた。

「あんたは私より手足が長いし、背が高いから、ずっとうらやましかった。私よりも『美人』になれるから……」

……???私は理解できなかった。だって、私、美人て言われたことないし、学校でも会社でも「ブス」「デブ」「バカ」って長年いじめられてきたんだよ。

母は気でも狂ったのだろうか?

おい、「美人」って一体、何なんだよ!

地球の裏側くらい、自分と縁遠かった「美人」。でも、母が執着した「美人」に、私は自分が壊れるくらい振り回されてきたのだ。

私は母が長年悩んだ「美人」について、どうしても知りたくなった。

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テツコハナヤマ
毒親育ちが、ロックマンしか愛せず音信不通に苦しむ日々を卒業し、誠実な癒し系の旦那様と結婚。コロナ禍で出産し、産後クライシスに荒ぶりながらも「毒親育ちが居場所を見つけて、ライフワークと家族と生きる」日々を発信中。根本裕幸氏のお弟子さん1期。 詳しいプロフィールはこちら。